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「ラブベジ®」プロジェクト名古屋発・社会課題を解決するエコシステム|味の素株式会社 名古屋支社
 

「ラブベジ®」プロジェクト名古屋発・社会課題を解決するエコシステム|味の素株式会社 名古屋支社

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ASV(Ajinomoto Group Shared Value)経営を推進する味の素グループでは、食と健康に関わる社会課題を解決し、経済価値を生み出す活動が次々と生まれている。同社の名古屋支社から生まれた「ラブベジ®」は、その代表的な取り組みだ。行政や地域を巻き込み、一社のプロモーションを超える大きなうねりを巻き起こしている。同施策を牽引するお二人に発足の経緯や、それぞれの想いを聞く。

ASVエンゲージメントを高めるマネジメントサイクルとは

ASVエンゲージメントを高めるマネジメントサイクルとは

「従業員エンゲージメントの向上が顧客価値・経済価値を生み、経済価値が従業員に還元され、さらにエンゲージメントを高めるサイクル」が味の素グループの企業価値であるという再定義のもと、従業員一人ひとりが「食と健康の課題解決」に取り組み、ビジョンの実現に貢献しているという実感と、心のうちから湧き上がる情熱を高めるために構築されたマネジメントサイクルのこと。「ASVエンゲージメント向上」と「個人の能力開発」との同期化を図っている。

野菜摂取量ワースト1。愛知県の生活者課題に向き合う。

野菜摂取量ワースト1。愛知県の生活者課題に向き合う
林 幸弘

「食と健康の課題解決」のために、すべての経営資源を集中していく。経済価値はもちろん、ビジネスを通じて社会価値を生み出していく。味の素ではASV経営を推進していますが、名古屋支社から多くの先進的な取り組みが生まれていると聞きます。「ラブベジ®」について伺う前に、名古屋支社におけるASVの取り組み概要についてお聞かせいただけますか。

萩原 武幸
萩原

名古屋支社では、地域社会が抱える課題を解決することを視野に入れて、大きく3つの取り組みを実施しています。1つ目は、みえ・「勝ち飯®」。味の素にはトップアスリートのサポートで培った「勝ち飯®」という栄養プログラムがありますが、これを三重県のフードイノベーション課と連携し、三重県の食材を使ったメニューを発信するなど、消費者の健康づくりやスポーツの振興に貢献しています。2つ目は、「ペアクック®」。夫婦や親子で楽しく簡単に作れて、一緒においしく、かつ栄養バランスがとれるレシピを公開するなど、「こころの健康」を推進する活動を展開しています。そして3つ目、本日のテーマでもある「ラブベジ®」は、東海エリアの野菜摂取量アップと「からだの健康」向上を推進するプロジェクトとして、2015年からスタートしました。地域の行政や流通、生活者、メディアを巻き込んで、2021年の記念日制定を機に、今では全国へとその活動が拡がっています。

林 幸弘

ビジネスを通じて、食と健康の課題を解決する。まさに、ASVを体現されているのですね。では、「ラブベジ®」という施策は、どのような経緯で生まれたのでしょうか。

萩原 武幸
萩原

これらの取り組みが6年前にスタートしたのは、会社がASVを打ち出した直後のこと。「短期の売上はもちろん、中期的な事業・組織の構造改革と人材育成を成し遂げよう」という支社全体の方針を受けて、若手メンバーを中心としたプロジェクトチームが発足しました。そこで、行きついたのが「愛知県が野菜摂取量全国ワースト1、三重県・岐阜県も含めて東海圏の野菜摂取量が低位」であるという事実でした。若手メンバーの一人があるスーパーにそのテーマでプロモーションを持ちかけたところ、相手の部長さんも「え? そうなの?」と驚き、反響がよかったと言います。静岡県を含めた東海圏は野菜の生産量が多いにもかかわらず、野菜の摂取量が低いんです。生活者視点からも、流通の視点からも、このテーマは筋がよかった。当時のマネジメント層もこのテーマを施策に取り上げ、半期に一度の商談会でお披露目することを決断しました。

田中 大地
田中

「このわかりやすい生活者課題を自分たちの活動で解決できたら?」。当時のメンバーたちは、思い思いに未来を想像してニヤニヤしていたそうですよ。そうした若手の熱の高まりを受けて、リーダーたちがその想いに応えてくれた。励みになったと同時に、大きなプレッシャーも感じていたそうですね。そうしたタイミングでASVを推進する会社の方針が出され、活動は加速していきました。流通とのタイアップはもちろん、地元・椙山女学園大学の管理栄養学科との産学連携プロジェクトや、野菜をたくさん摂ることができるメニューブックの作成などさまざまな活動が生まれ、「第1回ASVアワード」において大賞を受賞することができたのです。

「あるべき姿」を描き、メンバーの熱が再燃した。

林 幸弘

若手メンバーの熱い想いが会社を動かし、うねりを生んだ。止まらない勢いを感じますね。

田中 大地
田中

ただ、このあと、「ラブベジ®」の活動は踊り場を迎えるんです。私が名古屋支社に赴任してきたのは、そんなタイミングでのことでした。大きな要因は2つ。ひとつは、立ち上げメンバーのほとんどが異動になってしまったこと。もうひとつは、働き方改革・効率化が叫ばれていたタイミングであったこと。一時は、この活動を続ける意味があるのか、というところまで議論が進んだくらいです。

林 幸弘

そうなんですね!?そうした状況に陥ってしまった中で、どのようなブレークスルーがあったのでしょうか。

田中 大地
田中

プロジェクトのビジョンとなるような「ありたい姿」を描いたことです。地域の生活者課題を解決した先の風景、明確なゴールを設定し、共有したことで活動の熱が再び高まっていきました。目指すゴールとしたのは、野菜売り場を魅力的にして、どんな時代も子どもたちが野菜を楽しく食べている。そんな食卓をつくることでした。また、活動の目的、そしてメッセージを贈る相手を「子ども」「子どもを持つ親」としたことで、取るべきアクションも明確になったと思います。名古屋市の公益社団法人名古屋民間保育園連盟にご協力いただき、「食育」という観点でイベントを行う。絵本仕立てのメニューブックを作成する。さまざまな活動が生まれていきました。さらに大きかったのは、そこに共感してくれる方が増えていったこと。お子さんをお持ちのバイヤーさんをはじめとした、流通関係者からも「すばらしいことだね」というお声を多数いただけました。

絵本仕立てのメニューブック
萩原 武幸
萩原

そして、ポイントに掲げていたのは、外部への発信・巻き込みを強化することでした。当時は、三重県と協定を結び、量販店とのコラボレーションによる、みえ・「勝ち飯®」が大きな話題を集めていましたし、「ペアクック®」もインスタグラムの活用やCS番組で特集を組まれるなど、外部発信によるインパクトの大きさを痛感していたタイミング。次の「ラブベジ®」ステージアップに向けて、そうしたエッセンスが必要であろうと。

田中 大地
田中

当時、私は活動をさらに広げていくために、「記念日登録」をするというアイデアを温めていました。外部への発信というエッセンスによって、そのアイデアがより活きてくるようになったんです。

萩原 武幸
萩原

田中さんのアイデアは実を結び、3月1日が「ラブベジ®」の日として一般社団法人・日本記念日協会により認定されました。そのニュースは社長出席のもと、大々的に発信され、やがて、全国に火種となって広がっていくことになります。まさに、活動の象徴になってくれたと思っていますよ。

「ラブベジ®」の日
林 幸弘

「ラブベジ®」の活動は、貴社のプロモーションの枠を超えて、さまざまなステークホルダーを巻き込んでいくことになりますよね。次は、そうした地域、行政、生活者の反応やムーブメントに焦点を当てていきたいと思います。

「ラブベジ®」を野菜摂取活動のNo.1プラットホームに。

林 幸弘

記念日を獲得し、社会全体を巻き込む情報発信をしていったとのことですが、そうした取り組みに、どのような想いを込められていたのでしょうか。

萩原 武幸
萩原

それこそASVの目的である「食と健康の課題解決」ですよね。単なる味の素のプロモーションではないんです。だから、記念日の認定に合わせて作成した「ラブベジ®」のロゴにも、「味の素」という社名はどこにも入っていません。このロゴを使って、多くの量販店の皆さんに売場を盛り上げていただくのですが、そこには、競合他社の商品や青果も一緒に並べられていますからね。全体で盛り上がっていこう、みんなで野菜をおいしく食べよう。自社の利益だけに固執することなく、そうした想いに共感してくれることを大切にしているんです。まあ、本音を言うと、味の素の商品が売れてくれなければ困るのですが(笑)。

田中 大地
田中

そうですね(笑)。でも、「1日に350g以上の野菜をとる」って、毎日となると本当に大変なことなんですよ。だからこそ、自然と棲み分けができると私は思っています。野菜をとれて体も温まる汁物や野菜と一緒に肉もとれる炒め物、生野菜のサラダに野菜ジュース。どれか一つではまかなえないし、楽しい食卓にもならないですから。私は「ラブベジ®」の日をみんなで盛り上げる、日本一のプラットホームにしたいと思っているんです。

萩原 武幸
萩原

「ラブベジ®」のロゴやプロモーションは、量販店グループやローカルチェーンなど、さまざまなところで活用されています。また、株式会社サラダコスモさんが販売する加熱用カット野菜にもこのロゴマークが入っていて、その商品が「日本で一番売れたカット野菜商品」としてクローズアップされたんです。「ラブベジ®」がブランドとして生活者に認知され、エネルギーを生んでいることは、私たちにとっても、うれしいかぎりですよ。

「ラブベジ®」のロゴやプロモーション

味の素の想いが、みんなの想いになった。

林 幸弘

「ラブベジ®」のすごいところは、流通にとどまらず、地域の企業や生活者を巻き込んだムーブメントが生まれていることですよね。

田中 大地
田中

先ほど、萩原さんから外部への発信によって、社会を巻き込むという話がありましたが、流通企業と私たちだけでは、どうしても活動に限界があると感じていました。三重県との連携はもちろん、子どもの目をひく可愛いメニューブックや「ラブベジ®」のうたと動画を作成するなど私たちなりの工夫をしていたのですが、何と地元の企業や生活者の皆さんが積極的に情報を発信してくださったんです。

萩原 武幸
萩原

そして「みんなでラブベジ®」の歌です。三重県の地元量販店の社長さんが「ラブベジ®」に賛同してくれて。これは正式にお願いに伺わねばとアポイントを取ったのですが、伺った時にはすでに楽曲のデモが完成していましたね(笑)。うれしかったのは、活動の目的や想いをしっかりと受け止めていただいたこと。印象的なフレーズは思わず口ずさんでしまうほどでした。

田中 大地
田中

私たちのメッセージに共感し、楽しんでいただけている。しあわせなことですよね。

萩原 武幸
萩原

「みんなでラブベジ®」の歌がきっかけで生まれたのが、三重高校ダンス部の皆さんによるPR動画の撮影でした。ご縁がつながって三重高校を紹介していただき、ご提案に伺ったのですが、快くOKしてくれましたからね。三重高校のダンス部は全国的に有名で、ニューヨークで開催される高校生のダンス大会に出場するほど。ただ、当時はちょうど新型コロナウイルス感染症が蔓延したころで、すべての大会が中止になっていたのだとか。部員の皆さんが「文化祭みたいで楽しい」と言ってくださったことが印象に残っていますね。

「みんなでラブベジ®」の歌。三重高校ダンス部の皆さんによるPR動画
田中 大地
田中

その映像が大きな話題を呼び、全国のメディア・地域のメディアでいくつも特集が組まれました。リーチ数は240万人超。生産者・スーパーの従業員の皆さんが独自にダンスをする動画を撮影して、WEBにアップするケースも見られましたね。今後もさらに共感者を増やし、「ラブベジ®」の輪を広げていきたいと思っております。

林 幸弘

皆さん、自分のこととして楽しんでいるのでしょうね。まさに、地域をまるごと動かすプロジェクト。心から「すごい!」と思います。

そのプロジェクトには「意味」があふれている。

そのプロジェクトには「意味」があふれている
林 幸弘

「THE MEANING OF WORK」では、「意味のあふれる社会」を実現しようとさまざまな知見・事例を発信していますが、「ラブベジ®」というプロジェクトはその象徴であり、味の素が推進するASVを体現するものだと思います。最後に、お二人にとってのASVとは何かをお伺いしたいのですが。

田中 大地
田中

「ラブベジ®」などさまざまな活動を通じて、ASVが「私が本気でやりたいこと」であることを実感しています。「意味」という言葉がありましたが、「意味=創業の志」をまさに感じているところです。目の前のお客様や生活者に商品を提案、届けることも大切なのですが、日常の仕事の先にある社会・生活者の課題を見つめ、ASV活動を通して、大きな喜びとやりがいを得ることができました。この活動をさらに広げ、若手の成長機会を創出するとともに、生活者のしあわせのため、ものづくりに関わっていくであろう自身のキャリアに活かしていきたいと思っています。

萩原 武幸
萩原

味の素は、食とアミノ酸を軸とした企業でもあります。これは私なりの解釈ですが、ASVとはお客様や生活者の皆さん、社会に対する健康価値と共感を提供する有益な「コミュニケーションツール」であると考え、この活動に取り組んでいます。自分たちが主体的に考え、行動し、新たなコンセプトをつくっていく。その柔軟性は大きな魅力ですし、大きなやりがいと成長を与えてくれていると感じます。より多くの人々に意味のあるメッセージを発信していきたいですね。

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