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地球のために何かができる、「最後の世代」として。サーキュラーエコノミーは、企業経営と人材育成をどう変えるのか。

地球のために何かができる、「最後の世代」として。サーキュラーエコノミーは、企業経営と人材育成をどう変えるのか。

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  • 濱川 明日香

    濱川 明日香ASUKA HAMAKAWA
    一般社団法人Earth Company & Mana Earthly Paradise 共同創設者

    ボストン大学卒業後、プライスウォーターハウスクーパーズ社に勤務。ハワイ大学大学院にて太平洋島嶼国における気候変動研究で修士号を取得。2009年のサモア諸島沖地震、2011年の東日本大震災で緊急・復興支援活動に従事。その後、気候変動関連のNGOで副代表を務めると同時に、マサチューセッツ工科大学の気候変動解決策を世界中から集める「Climate Colab」の運営に参画。コーネル大学経営大学院MBAマーケティング戦略プログラム修了。2014年に夫・知宏氏とEarth Companyを設立。同年、ダライ・ラマ14世より「Unsung Heroes of Compassion(謳われることなき英雄)」を受賞。2017年に「Asia 21 Young Leaders」 に選出。2018年、Newsweek誌「Women of the Future」に、2021年には同誌「世界に尊敬される100人の日本人」として掲載。現在バリ島ウブドに住み、夫婦でNGOとエシカルホテルを運営しながら4人の子供を育てる。

  • 濱川 知宏

    濱川 知宏TOMOHIRO HAMAKAWA
    一般社団法人Earth Company & Mana Earthly Paradise 共同創設者

    ハーバード大学卒業後、NGOスタッフとしてチベット高原で働いた後、ハーバード大学ケネディ行政大学院で修士号を取得。英国大手財団CIFFにて、インド・アフリカにおける子どもの保護・教育に重点を置いたプロジェクトの企画推進・評価などを行う。革新的なテクノロジーを最貧国へ届けるNGOコぺルニク、最高戦略責任者。国際開発やBOPビジネスの促進に関わり、ソーシャルイノベーションとインパクト評価を専門とする。日本では青少年のグローバル教育にも従事。元東京大学特任教授。世界銀行コンサルタント。国際会議での講義登壇実績多数。2014年、ダライ・ラマ14世より「Unsung Heroes of Compassion (謳われることなき英雄)」を受賞。現在バリ島ウブドに住み、夫婦でNGOとエシカルホテルを運営しながら4人の子供を育てる。

  • 大島 崇

    大島 崇Takashi Oshima
    株式会社リンクアンドモチベーション モチベーションエンジニアリング研究所 所長

    京都大学大学院修了後、大手ITシステムインテグレーターを経て、2005年、株式会社リンクアンドモチベーションに入社。中小ベンチャー企業から従業員数1万名超の大手企業まで幅広いクライアントに対して、組織変革や人材開発を担当。現場のコンサルタントを務めながら、商品開発・R&D部門責任者を歴任。2015年、モチベーションエンジニアリング研究所所長に就任。

  • 林 幸弘

    林 幸弘株式会社リンクアンドモチベーション
    モチベーションエンジニアリング研究所 上席研究員
    「THE MEANING OF WORK」編集長

    早稲田大学政治経済学部卒業。2004年、株式会社リンクアンドモチベーション入社。組織変革コンサルティングに従事。早稲田大学トランスナショナルHRM研究所の招聘研究員として、日本で働く外国籍従業員のエンゲージメントやマネジメントなどについて研究。現在は、リンクアンドモチベーション内のR&Dに従事。経営と現場をつなぐ「知の創造」を行い、世の中に新しい文脈づくりを模索している。

インドネシア・バリ島を拠点に、「次世代につなぐ未来」の創出に挑むEarth Company(アース・カンパニー)。社会の変革を担うヒーローの支援をはじめ、ユニークな事業の数々によって生み出されたインパクトは、各国の変革に貢献し、ダライ・ラマ14世からも表彰を受けたほどだ。同団体の創設者である濱川明日香氏・知宏氏に、サステナブルな組織・経営へのヒントと、私たちが実現すべき「未来のあるべき姿」について伺った。


豊かさとは何か。生きるとはどういうことか

豊かさとは何か。生きるとはどういうことか
林 幸弘

まずは、お二人が社会起業家として、国際協力の道に進むことになった「原点」を教えてください。

濱川 明日香
濱川(明)

きっかけは中学生の時に、ユニセフから送られてきたニュースレターでした。そこに記されていたのは、世界における5歳未満の子どもたちの死亡率。世の中の不条理や格差を強烈に印象づけられたことを鮮明に覚えています。私たちは、偶然に日本に生まれ、恵まれて育っただけ。だからこそ、経済的に恵まれない国や人々のために、何かすべきではないか。そんな想いから、国際協力の道へ進もうと決めていました。

林 幸弘

かなり早い段階から、この道を行こうと思われていたのですね。

濱川 明日香
濱川(明)

そうですね。もう一つの転機となったのが、大学4年生の時に数ヶ月間、サモアに滞在したことでした。そこでは、現地の人たちと一緒になって生活していたのですが、決して経済的には豊かではないのに、彼らはとても生き生きとしていて。「豊かさとは何か」「生きるとはどういうことか」を考えさせられたんです。さらに大きかったのは、気候変動の影響を痛感させられたことですね。新月・満月の日になると、私が住んでいた小屋が浸水してしまうんです。その影響で、島の一部には廃墟となった地域もあって……。彼らはほとんど、二酸化炭素を排出していないのに、私たちの豊かな暮らしの「しわ寄せ」を受けている。申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。こうした状況は間違っている。誰かが豊かになる背景で誰かが犠牲になる社会のシステムを正さなければならない。そんな想いがより強くなっていったんです。最初の就職先は外資系のコンサルティング会社を選びましたが、今の社会システムを知らなければ、何かを変えることはできないと思っての決断でした。

濱川 知宏
濱川(知)

私も明日香と同じような体験が原点にあります。アメリカの高校を卒業すると同時に、サモアの隣にあるフィジーで行われたコミュニティー・サービス・プログラムに参加したのですが、そこで経済的豊かさと精神的豊かさの反比例のようなものを感じました。物質的には貧しいけれど、彼らはみんなハッピーなんですよ。この明るさ、やさしさ、温かさはどこから来るのか。とにかく、すべてが新鮮でした。一方で、電気も水道も通っていない。医療体制も整っていないわけですから、当然、それによる悲しみやつらさも存在するわけです。こうした温かい人たちのベーシックニーズを満たす手伝いをしたい。そんな想いを抱くようになりました。

林 幸弘

経済的豊かさと精神的豊かさの反比例。そして、格差。運命的に、同じような経験をされたわけですね。その後はどのようなキャリアを歩まれたのでしょうか。

濱川 知宏
濱川(知)

ハーバード大学を卒業した後、就職しなかったんですよ(笑)。今はなきリーマン・ブラザーズ社からのオファーも蹴りました。フィジーでの体験が、現代社会のシステムに組み込まれることへの違和感につながったのだと思います。それから、言葉も話せないのに「これからは中国だ」なんて北京に行って、そのままチベットまでたどり着いた。そこで、NGOの活動に参画し、すばらしい仲間たちと出会うことになりました。それが20代半ば。最高の仲間たちと意味のある支援を行う。それが、私にとっての働きがいであり、キャリアのスタートとなったのです。

ヒーローを支援し、社会の在り様を変える

ヒーローを支援し、社会の在り様を変える
林 幸弘

「意味」を見つけて、キャリアをスタートさせる。すばらしいですね。

濱川 知宏
濱川(知)

これは、Earth Companyが大事にしている「BE→DO→HAVE」という考え方にもつながると思っています。大量生産・消費で回る現代の社会においては、この真逆の「DO→HAVE→BE」の考え方が中心。一生懸命に働いて、勉強する(DO)。お金や名声、家、人脈を手に入れる(HAVE)。そして、喜びや幸せを感じる(BE)といった形ですね。ですが、私たちは「BE=ありたい姿」を先に持ってこようと。どのような環境に身を置き、誰といることが幸せなのか。そこをスタートにすれば、モチベーションも上がるし、何をすべきかも見えてきますよね。もちろん、BEの実現に向けて最低限のお金を稼ぐことは必要ですが、途上国の人々から幸せの秘訣のようなものを学べたらいいな、という想いで活動をしているんです。

濱川 明日香
濱川(明)

サーキュラーエコノミー(循環型経済)への向き合い方も、この考え方に近いのかもしれませんね。従来の経済においては、つくること、売ることが先行して、それによって社会がよりよくなったのか。環境にどのような影響が生まれたのかは後からついてくる。これからは、そうした価値観が見直されていく時代。BEを最初に考えることは、とても重要な気がしているんです。

林 幸弘

BEを先に考える。確かにそのとおりですね。Earth Companyはそうした考え方を大切にされているとのことですが、どういった経緯でこの団体を創設されたのでしょうか。

濱川 明日香
濱川(明)

社会貢献活動をする中で、「この人なら、国や未来を確実に変えられる」と確信させる人に出会うことがまれにあるんです。彼らは、彼らが取り組む課題の被害者・当事者であったことが多く、自分と同じ境遇に苦しむ人たちを救いたいと、揺るがぬ意志で道を切り拓いている。でもそんな人たちに十分なリソースが行き渡らない。だから、変わらない。私自身、気候変動に関するNGOでそうしたジレンマを感じていましたし、資金援助を行う団体にいた夫も、十分な支援を行えないことに悩みを抱えていました。国や未来を変えることのできるインパクトを持った人材を支えるプラットフォームをつくろう。それがEarth Companyを立ち上げたきっかけでした。

濱川 知宏
濱川(知)

途上国のリーダーを支援する「インパクトヒーロー事業」ですね。こうした事業を行う団体はソーシャルアクセラレーターと呼ばれますが、私たちのユニークな点は「3年間、何でも支援します」というところにあります。資金調達の代行から、SNS戦略策定・ホームページの作成といった広報業務、新規収益事業のコンサルティングまでさまざまな支援を行うのです。期間を定めてはいるものの、関係性がそこで途切れるわけではありませんからね。一生のビジネスパートナーとして、ヒーローたちを支えていく。そんな感じです。

濱川 明日香
濱川(明)

ヒーローたちの変革力は本当に圧倒的で、映画のような劇的な人生を歩んできています。例えば、私たちが最初に支援したベラ・ガルヨスさんは、インドネシアからの独立に大きく貢献した国民の英雄です。インドネシア軍侵略下の東ティモールで兄弟を殺され、彼女自身もなんと自分の父親にわずか5ドルで敵軍に人身売買されました。命からがら救出され、思春期には少女兵として独立運動に身を投じ、そして今度は国外脱出のために自らインドネシア軍に入隊して軍からの度重なる虐待に耐え続けつつダブルライフを送り、カナダへ派遣されたその日に逃げ出し、難民に。その後、世界各国で独立運動を続け、独立後は大統領補佐官を務めることになりました。

濱川 知宏
濱川(知)

支援しているのは、意図しているわけではないですが、将来的に国家元首になる、またはノーベル平和賞を受賞するような可能性があるような人たちが多いです。助産師として活動するロビン・リムさんは、「現代のマザー・テレサ」と呼ばれ、インドネシアで無償医療の提供と、年間6,000人以上の医療従事者の育成に尽力しています。そして、マーシャル諸島共和国出身の気候変動活動家・キャシー・ジェトニル=キジナーさんは、詩にその想いをのせて活動を行い、2014年の国連気候変動サミットにおいて、世界中の首脳からスタンディングオベーションを受けました。ヒーローたちの偉業を語り出すと、キリがなくなってしまうほどです。

大島 崇
大島

何かを変革しようといった時に、「突出点」をつくろうというのは有効な手法ですよね。よく日本の企業は、底上げ式の取り組みで、全体を変えようと試みることが多いのですが、このケースはうまくいかないことがほとんど。エッジの立ったヒーローを見つけて、そこに投資していく。そうすれば、自ずと組織の標高が上がり、あるべき姿に辿り着く。大きなヒントをもらえたと思います。

SDGsを「宿題」にしてはいけない

SDGsを「宿題」にしてはいけない
林 幸弘

Earth Companyが拠点を置くバリ島は、世界中から起業家、デジタルノマドが集まる場所として、も注目を集めています。ここで、個人や大学、企業に向けた研修・教育事業も実施されていますね。

濱川 明日香
濱川(明)

社会企業や革新的な試みの最前線を体験していただく研修プログラムやスタディツアーを実施しています。ミレニアル世代、Z世代といわれる若者たちは、現在の社会システムに限界を感じ始めています。どう未来につなげる地球をつくっていくのか。学生さんや若手のコーポレートワーカーに対して、ここでしかできない体験や知識を提供しています。

濱川 知宏
濱川(知)

インパクトヒーローたちが見ているものって、SDGsの最前線なんですよ。だからこそ、その重要性をアイコンではなく、インパクトヒーローたちの言葉で理解してほしい。彼らのライフミッションやライフストーリーに触れる機会なども用意しています。各地の紛争や、難民など、遠い国の話だったものが、より身近に感じられると思いますよ。

林 幸弘

そうですね。物事の捉え方、考え方が大きく変わると思います。

濱川 明日香
濱川(明)

ただ、SDGsって9年後の目標であって、一つの通過点です。それがまるでゴールのように捉えられている状況には違和感を覚えます。大切なのは、SDGsのその先にどのような世界をつくっていくのか。SDGsだけにフォーカスすることで、逆に見えなくなっている部分もあると感じているんです。

濱川 知宏
濱川(知)

だからこそ、Earth Companyの研修・教育プログラムでは、「Earth 4.0」という概念を伝えるようにしているんです。今の世界(1.0)は、社会・環境問題を生まないと発展できない。そして、課題を解決しながら発展する世界(2.0)を目指しているのが今。そこからそもそも課題を生み出さないサーキュラーな世界(3.0)を実現し、社会の発展が地球上すべての命のwell-beingを向上させるリジェネティブな世界(4.0)へと革新する……。SDGsは2030年を区切りとしていますが、その先にあるゴールを意識しなければ、自分の企業にどのような未来があるのかも、どのようなOpportunity(機会)があるのかも想像できません。

大島 崇
大島

確かにSDGsが「宿題」みたいになっている面はありますね。これをやれば、株価が上がる。企業価値が上がるといったような(笑)。その先にある世界を明確にして、個人の内面に刻まれた活動として進めていかないと。みんながSDGsを意識することは大きな進歩ではあるけれど、「宿題が出たから、やろう」ではいけませんね。

林 幸弘

ミレニアル世代、Z世代の若者と話してみると、その視座の高さに驚かされることがあります。明確なビジョンにはなっていなくても、何となく3.0、4.0の世界をイメージしているんじゃないかと思うんですよ。ところが、新卒採用の面接に行ってみると、1.2くらいの話をされて、彼らは白けてしまう(笑)。とはいえ、実践している企業は必死で取り組んでいるわけですが……。

濱川 明日香
濱川(明)

Z世代の若者たちはアンテナは敏感だし、語学力も、ITリテラシーも、コミュニケーション能力も私たちの世代とは比べものにならない。「どうしてくれるんだよ!」くらいのことを思っているんじゃないですかね。私たちは、地球に対して、気候変動に対して何かができる「最後の世代」だといわれていますが、生半可な覚悟では、若者たちは許してくれません。もっと頑張らないといけませんね。

濱川 知宏
濱川(知)

Earth Companyでも、私たち自らEarth3.0、4.0の世界を実現したいと考えて、エコホテル事業を行っています。観光業という文脈で、サーキュラーな世界の在り方を示したいと思っているんです。

林 幸弘

ホテル名である「MANA(マナ)」って、素敵なネーミングですよね。ポリネシアでは、力とか魂という意味がありますし、日本語では愛という意味があります。

濱川 明日香
濱川(明)

「MANA」ってポリネシアの人たちにとって、とても神聖な言葉なんです。「あの人はMANAにあふれているよね」「この地にはMANAが満ちている」みたいな使われ方をします。小さな縮図ではありますが、併設するオーガニック畑で無農薬で作った在来種の野菜を使ったレストランや、人と環境にやさしい商品をそろえたショップなどを通じて、この地球に満ちあふれていているMANAを尊重し、多くの人に感じてもらいたいと思っているんです。

リーダーたちよ、五感を解き放て

リーダーたちよ、五感を解き放て
大島 崇
大島

先ほど若者層の視座の高さについての話が出ましたが、私はミドル世代からのムーブメントに期待を持っているんです。昨今、コロナ禍によってリモートワークが当たり前になり、仕事と家庭の線引きが曖昧になりました。「売れ、売れ」「やれ、やれ」と急き立てる、エコノミックアニマルになっているすぐ傍で、我が子が勉強していたり、遊んでいたりするわけです。この拮抗状態ってオフィスでやるか、家でやるかの問題ではなく、パーソナルビーイングの問題だと私は考えています。家ではゆっくり過ごしたいのに、我が子の成長に目を細めたいのに、仕事の世界に染められる。自分の価値観が上書きされてしまうんですよ。私自身、「これは無理だな」と感じ始めていますし、今の社会システムに違和感を覚えることもあります。こうした気づきがマグマ的に流れ出せば、サーキュラーエコノミー実現の追い風になるのではないでしょうか。

濱川 知宏
濱川(知)

ミドル世代にポテンシャルがある、という見方はおもしろいですね。まず、変わるべき経営トップと、視座の高い若者に挟まれて、苦労するのではないかと思っていましたから。今のお話は新鮮ですし、納得感がありますね。

大島 崇
大島

“ロストジェネレーション”という呼び方をされているように、なかったことにされている、何の脚光も浴びていない世代ですからね。かの小説ではありませんが、「ロスジェネの逆襲」は本当にあると思うんですよ。私もその世代なので、自分への期待感も含めての展望ではあるのですが(笑)。

濱川 明日香
濱川(明)

バブル期も経験していないし、どこか不完全燃焼。そんな感覚ですよね。私たちが行う研修プログラムには、ミドル世代の方が参加することも多いのですが、所属する企業のサステナビリティを考え、どうあるべきかを議論する時にすごくキラキラされているんです。私もミドル世代の方々にはすごいポテンシャルがあると思っています。

林 幸弘

おもしろいですね。ただ、何かがおかしい、何かをしたいと思っていても、なかなか行動には移せないものです。最後に、社会起業家として活躍されているお二人から、日本のリーダーに向けてのエールをいただきたいと思います。

濱川 知宏
濱川(知)

私が今のリーダーに必要だと思うのは、「五感を解き放つこと」ですね。これは、研修プログラムを行う際にもお伝えしているのですが、ビジネスの世界ではとかく左脳に頼りがち。デバイスを見る視覚くらいしか使っていないんです。それでは、いい決断もできませんし、大局も見えなくなってしまいます。ですから、バリに来ていただいた1日目・2日目には、ただただ「洗い流してもらう」ことに集中していただいています。膨大な情報や過密なスケジュールで詰まったアタマを洗い流し、感覚を呼び覚ます。汗をかき、涙を流し、自然の匂いをかぎ、小鳥の声に耳をすませる。「どれだけ洗い流されたか」で4日目・5日目のインスピレーションはまるで変っていきますからね。自らの感覚を解き放つことができれば、自ずと行くべき方向に気づくことができると思いますよ。

濱川 明日香
濱川(明)

私がお伝えしたいのは、直感の大切さです。動物と同じように、人間にも生存するための嗅覚が備わっています。今やるべきこと、やるべきでないことは直感が教えてくれるはずです。技術の進歩や人々の意識変革によって、不可能が可能になる時代になりました。地球の未来を考えることも、きれいごとで終わることはなくなっています。自らの直感を信じて、私たち「最後の世代」の責務を果たしていきたいですね。

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